MMA

「五明宏人vs赤田プレイボウイ功輝」—再燃する判定論争と“フィニッシュ至上主義”の行方

2024年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN DECADE【雷神番外地】』における五明宏人選手と赤田プレイボイ功輝選手の対戦は、2-1の判定で五明選手が勝利しました。しかし、この判定を巡り、格闘技ファンの間で論争が再燃しています。

試合内容を振り返ると、1ラウンドでは五明選手のヒジ打ちが赤田選手にヒットし、出血を引き起こしました。2ラウンドでは、五明選手がテイクダウンを成功させ、パウンドやヒザ蹴りで攻勢を維持。3ラウンドでは、赤田選手が右フックでダウンを奪いましたが、五明選手は立ち上がり、組み技で時間を稼ぎました。

この試合の判定基準として、RIZINではトータルマスト方式を採用しています。一般社団法人日本MMA審判機構(JMOC)の見解によれば、1ラウンドと2ラウンドでの五明選手の累積的なダメージが評価され、3ラウンドでの赤田選手のダウンは即時的なインパクトとして捉えられました。結果として、累積ダメージを重視したジャッジが多かったため、五明選手の勝利となりました。

この判定に対し、ファンの間では「フィニッシュしろ」という意見が多く見られます。これは、判定に委ねず、明確な決着を求める声として理解できます。しかし、現実的には全ての試合でフィニッシュが起こるわけではなく、判定基準の明確化や統一が求められています。青木真也選手も自身のnoteで、ラウンドマスト方式の採用や判定基準の明確化が必要であると指摘しています。

総合的に見ると、今回の論争は判定基準の曖昧さやファンの期待とのギャップから生じています。今後、格闘技界全体で判定基準の見直しや統一が進むことで、選手・ファン双方が納得できる試合運営が期待されます。